COLUMN
#DAJ原料を巡る旅 vol.3
「ユズ精油(水蒸気蒸留法)」
原料メーカーや生産地を訪問し、お聞きした生産者の声を連載するコラム『原料を巡る旅』。
連載第3回目は、高知県産YUZUシリーズすべてに配合している、「ユズ精油」の工場を訪れました。
蒸留の「キー」は四万十川の清らかな水
『最後の清流』として知られる、四万十川。
この美しい四万十川の水を使用して、高知県産YUZUに配合されているユズ精油は抽出されます。
工場に入った瞬間から、柚子の天然の香りが広がり、鮮やかなイエローが目に飛び込んできます。1度に使用する果皮の量は、中身を抜いた果皮だけでも300キロほど。精油工場に届く柚子は、食卓に並ぶ調味料や飲料用に絞られ、すでに果実が抜き取られた状態。「果皮」からユズ精油は抽出されます。
下処理を行った柚子果皮と四万十川からくみ上げられた水を混ぜ、原料を液状にして蒸留機に入れます。蒸留機の中で熱された原料から、芳香成分が気化。冷却することで液体に戻り精油とフローラルウォーター(芳香蒸留水)がタンクに溜まっていきます。
蒸留窯の様子は職人さんが目視でチェックされています。その日の気温や湿度によって取れ高が変化するそう。機械ではできない繊細な仕事です。
精油とフローラルウォーターが一緒に抽出されてしまうので、職人さんが目視で分ける作業を行い、最後に精製すれば精油の完成です。300キロの果皮から採れる精油はわずか2Lほど。ほとんどの作業が人の手で行われています。
「水蒸気蒸留法」へのこだわり
通常、ユズやオレンジ、レモンなど柑橘系精油の抽出には、果皮を絞って抽出する「圧搾法」を用います。しかし、圧搾法でとれた精油には光毒性成分が含まれてしまうため、肌に直接つけるスキンケアアイテム配合することには向きません。
デイリーアロマジャパンが採用している「水蒸気蒸留法」は、圧搾法よりも取れる精油の量が少なく、人の手がかかる手法ですが、不純物混入が少なく上質な精油を得ることができます。また光毒性成分を含まないため、スキンケア用品にも配合することができるのです。
「地元の農林資源を生かした産業を作っていきたい」との想いからユズ精油作りはスタートしたそう。[#DAJ原料を巡る旅 vol.1]で紹介した武内夫妻、工場ではたらくみなさん、さらに宿泊先の民宿のおかみさんまで「どこどこの○○さん」と呼び合っていらっしゃったのがとても印象的でした。
高知県の豊かな自然・四万十川の清らかな水、そして地域の方々の絆に育まれたユズ精油。「高知県産YUZU」の商品を通じて、高知県のすばらしさも伝えていきたい、と改めて強く感じる旅となりました。